具体フィールドミュージアム

学芸員よりCURATOR

お部屋が青一色?作品制作の裏側から、静かな作家の熱い情熱まで

イベント報告

 2026年4月29日(水・祝)、兵庫県立美術館で開催された「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」展関連企画 Twilight on the Deck 「彼女たち、『具体』の場合」に行ってきました。

 『具体』の女性作家だった山崎つる子さん、田中敦子さん、白髪富士子さんの3名について、ご本人たちと親交のあった山本淳夫氏(横尾忠則現代美術館 館長補佐兼学芸課長)にお話しいただいたスペシャルなイベントです。その様子を一部、お届けします。

 兵庫県立美術館の今回の特別展担当の江上ゆか学芸員の司会で、山本氏のお話が始まりました。

 山本氏が芦屋市立美術博物館の学芸員だった時、最も接点が多かったのが山崎つる子さんだったそうです。

 かけだしの学芸員時代、周囲から「驚いてはいけない」と言い含められて伺った山崎さんのご自宅はその当時、天井から壁、床まで青一色(おそらくインターナショナル・クライン・ブルーだろうとのこと)だった話や、お寿司がお好きだったこと、子ども絵画教室をしていたけれども本人は必ずしも子ども好きではなかったこと、背が高く細身のファッショナブルな方で青いアイラインなど時代を先取りしていたこと、悪気なく物事の核心を突くような発言をされるため山本氏が翻訳に困ったエピソードなどを楽しくお話しいただきました。

 また、晩年は寡黙でひたすら絵を描いていた田中敦子さんが、若い頃は自身の大型作品の制作に金山明さんをはじめ周囲の具体メンバーを否応なく巻き込んでいくお話はとても臨場感がありました。

 なかでも印象に残ったのは、あるベルギーのコレクターから作品について尋ねられた白髪富士子さんが感極まって泣いてしまい、質問をしたコレクターももらい泣きしてしまったエピソードでした。

 具体の作家としては活動期間が短く、残された作品も静かな印象だった白髪富士子さんの秘められた情熱を感じることができました。

当日の様子

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