学芸員よりCURATOR
<尼崎>白髪一雄さんとだんじり
街歩き

だんじりは地域に根差したお祭りで、関西、特に東は大阪から西は姫路で盛んな印象があります。お神輿とお神輿を担ぐかきて、だんじり囃子の囃子方がセットです。もともとは神事のことが多く、お祭りの時期は場所によって異なりますが、だんじり囃子の練習の音が聞こえてくるとそろそろ夏の始まりです。
さて、だんじりにはお神輿同士をぶつけて競う「山合わせ」があります。尼崎で有名なのは貴布禰神社の夏季大祭で行われる山合わせです。2台のお神輿が前輪を持ち上げ後輪で立ち上がるように向かい合い、正面からぶつかります。約3トンのお神輿同士が立ち上がり何度も激突するその激しさから、喧嘩祭りと呼ばれることもあります。
今年、念願の尼崎のだんじり巡行を見に行ってきました。行ってみるとお神輿には女性も乗っておられ、喧嘩祭りというよりも明るくテンポの速いだんじり囃子のリズムが印象的でした。今夏のうだるような暑さの中、先を行く年寄り方の合図でゆっくりと進むだんじりから聞こえる明るいだんじり囃子。警察官の立ち合いは数人ありましたが、物々しさよりも活気のある地域のお祭りに見えました。しかし昔は事故や怪我もよくあったそうです。
実は白髪一雄さんは子どものころ、だんじりの事故を実家の呉服屋さんの前で目撃したそうです。
後年の作品に見える、荒々しく、どこか血の色にも似た白髪さんの赤。
そう考えると作品の見え方が変わってくるような気がしませんか。