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1956年『ライフ』誌取材② (4月9日) ─ 一日だけの野外展(廃墟展)

尼崎市武庫川河口

一日だけの野外展(廃墟展)の吉原治良、1956年
提供:大阪中之島美術館

尼崎の西南端、武庫川河口付近の工場地帯には、かつて太平洋戦争末期の空爆により破壊された十基ほどの巨大な石油タンクの跡が残っていた。この廃墟をつかって、今津浜での吉原製油西宮工場跡地での制作風景の収録同様、1956年4月にアメリカの雑誌『ライフ』誌の取材撮影のために、「具体」メンバーによる非公開の一日だけの野外展が行われた。残念ながらこの記事もまた掲載されなかったが、タンクの土台部分であった円筒形のコンクリートが残る広大な廃墟を舞台とした展示は、タンク跡の巨大な水たまりの水面に、ゴムボールを浮かべた作品や色とりどりに塗られた材木を配置した作品など、環境を活かした実験的な内容であった。轟音が鳴り響くカーバイドを使った大砲で描いた嶋本昭三の作品や、発煙筒から煙の輪がでる元永定正の作品に驚いた近隣の会社の人々が駆けつけたというエピソードも残っている。

現在もこの辺りは工場が多いが、魚釣り公園や尼崎スポーツの森など、市民の憩いの場も整備されている。

 

 

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一日だけの野外展(廃墟展)会場跡 尼崎市武庫川河口

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