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1956年『ライフ』誌取材① (4月6日〜8日) ─ 吉原製油西宮工場跡地での制作風景
西宮市今津浜
西宮市の今津浜、新川河口付近の一画に、かつて吉原治良が社長をつとめていた吉原製油の工場があった。近くには日本最古の木造灯台「今津灯台」があり、現在は県営住宅などが立ち並んでいる。1956年4月、アメリカの『ライフ』紙の取材に応じて、この工場内や今津浜でメンバーの制作風景などが撮影された。今津浜では元永定正の色水によるインスタレーションや白髪一雄の斧で赤い丸太に切り付ける作品、工場内では木下淑子の化学薬品による制作、白髪のフットペインティング、田中敦子の衣装を次々と着替える作品、村上三郎の紙破り、元永の煙の作品、吉田稔郎のジョウロによる描画、吉原通雄による自転車による描画などが収録された。同誌のため武庫川河口で「一日だけの野外展」も開催されたが、残念ながらともに誌面掲載は実現しなかった。制作風景(の収録)は非公開だったが、当時大阪市立深江小学校6年生だった乾美地子は、「具体」メンバーからその作品が注目されていたこともあってか、特別に見学を許されたという。
関連場所
吉原製油西宮工場跡地 西宮市今津浜