具体フィールドミュージアム

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阪神芦屋駅周辺

芦屋市公光町、川西町

左より田中敦子、嶋本昭三、一人おいて吉原治良、吉田稔郎、白髪一雄、村上三郎(芦屋市 吉原邸)、1958年
提供:大阪中之島美術館

吉原治良は大阪中之島の本宅のほか、阪神芦屋駅近くの公光町に自邸を構え、1968年に市内の川西町に転居するまでそこに暮らした。「具体」のメンバーは、「具体展」など主要な展覧会のために制作した作品を、事前に公光町の邸宅に持ち込んで吉原の審判を仰ぐ必要があった。そういう意味において旧吉原邸は、多くの作家たちにとって試練と緊張の場だったといえる。公光町、川西町ともに邸宅は現存しておらず、跡地にはマンションが建っている。

吉原が会長を務めた芦屋市美術協会が主催する芦屋市展は、実質的に「具体」への登竜門であり、抽象画や実験的な作品が多いことで知られた。市内に絵画などを展示できる施設がなかった当時、阪神芦屋駅の南東にある精道小学校の講堂は、第6回(1953年)〜第16回(1963年)芦屋市展の会場となった。

 

 

関連場所

旧吉原治良邸 芦屋市公光町

芦屋市立精道小学校 芦屋市川西町

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